平瀬春郷

 

 春郷(一七七〜一八二一)は半仙と号した。このころの平瀬家は経営が安定し、資産を蓄積していった時期にあたり、このころから茶道具の蒐集が本格化していく。茶道具の購入は純粋にその愛好と執着によるものと、財産保全のために投資するという側面もあったようである。柴田勝家が織田信長から一国の代わりに拝領した「柴田井戸」をはじめ、「千種伊羅簿」・直斎好みの「名取河香合」等を入手している。また、本宅屋敷木犀居(もくせいきょ)の普請を行い、常釜を掛けて商談や社交など、茶の湯を積極的に楽しんだ。なお、同家には武者小路千家七代直斎と次代の一啜斎からの書状が多数残されていて、両家と武者小路千家との深い交流を知ることができる。

 



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