比叡山延暦寺 大書院庭園|卜深庵点描|卜深庵  

比叡山延暦寺 大書院庭園

 

 昭和3年(1928)に、昭和天皇の御大典記念と比叡山開創千百五十年の記念事業として、当時、煙草王として有名であった村井吉兵衛の東京赤坂山王台にあった京都大学名誉教授武田五一の設計になる邸宅を延暦寺の大書院として移築された。

 その時、聿斎は四天王寺の檀徒総代の推薦で数週間にわたり比叡山に滞在し、その大書院の庭園の設計・施工をしている。作庭にあたり聿斎は、山上の庭は庭石を一切布置せず、琵琶湖を泉水と見立て、天然林をそのまま立木として見立てるという思いを込めて作っている。そのため琵琶湖からの朝日がそのまま室内を照らすようにその正面にはまったく立木がなく、遠く琵琶湖の絶景を望むことができるようにしている。そうしたことから大書院には照明の設備が供えられていない。当時の座主も「普通の寺院に見られぬ瀟洒とした趣をみせている」と絶賛した記録が残されている。

 なお、現在は木立が生い茂ったため、琵琶湖を望むことができなくなり、付近の眺望のよいところから写した琵琶湖の写真から往事を偲んでいただきたい。

 








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