木津宗詮3月17日読了時間: 1分3月13日 稽古場の床3代聿斎宗泉の竹画讃を掛け、安南染付花入にクリスマスローズを入れました。 そのかけかおらか世界や雀の子 露真 (印) 取り合わせの良いもの、調和して絵になるものとして松に鶴、梅に鴬などがあります。竹に雀もそのひとつです。...
木津宗詮2月1日読了時間: 3分女の力東本願寺の御影堂と阿弥陀堂を繋ぐ渡廊下に「毛綱」が展観されています。この毛綱は幕末に灰燼に帰した東本願寺を再建するときに用いられたものです。 明治初年、今日世界最大の木造建築物である御影堂を再建するにあたり、巨大な木材の搬出・運搬の引き綱が切れるなどの事故が相次いだそうです...
木津宗詮1月24日読了時間: 1分呉竹聿斎は明治42年(1909)に、大韓帝国といっていた朝鮮釜山の迫間房太郎の東莱別邸の設計で赴きました。その後も2回渡鮮しています。この茶杓は当時京城、現在のソウルで桑の材木をもとめて持ち帰り作られたものです。銘は藤原家隆の「時わかぬおのか枯葉はつもれどもいろもかわらぬ庭のく...
木津宗詮1月9日読了時間: 2分雪月花明治43年10月1日に豊田善右衛門から3代聿斎宗泉が贈られた直斎筆横物「雪月花」です。箱の甲は聴雪の筆であることを聿斎が極めています。 豊田善右衛門は、江戸中期から「船場」(高麗橋1丁目の現・三井住友銀行大阪中央支店)の地で縫い糸・帯締めなどを扱う糸豊田糸店の当主でした。明...
木津宗詮2023年12月30日読了時間: 1分友斎焼黒茶碗「鉢たゝき」縁があって初代松斎宗詮の銘になる友斎焼黒茶碗「鉢たゝき」が手元にやってきました。早速、本日の自宅の納会で用いました。 友斎焼は、初代松斎宗詮の門人日野(滋賀県)の正野猪五郎(しょうのいいごろう)が自邸の庭に窯を築き、松斎の指導を受けて作陶した焼物です。...
木津宗詮2023年12月29日読了時間: 1分長閑初代松斎宗詮の「郡宛書状」を掛けました。 昨今存外長閑ニ 相覚へ申候然ハ 南紀ゟあさり貝 任到来進上仕候 當年 □にて風与 浅利とる 人や 目出度 年の くれ 可笑〳〵 かしく 卜深庵 朧廿九日 郡様 尚々御令室様へ りうゟ 宜敷申し上呉候様 申候かしく...
木津宗詮2023年12月25日読了時間: 1分12月24日 稽古場の床年内最後の稽古です。東京の稽古場の床に幕末の大徳寺の拙叟和尚の「無事日月長」を掛けました。床柱に粉引瓢花入に侘助と臘梅です。拙叟お相は木津家二代得浅斎の参禅の師にあたり、わが家とはは格別縁の深い方です。 茶の湯では一年の終わりに「今年も平穏に無事に終えることができた」という...
木津宗詮2023年11月6日読了時間: 1分平瀬家本家平瀬露香の大阪平瀬家本家を兵庫県宍粟市山崎に訪ねました。ご子孫から詳しくお話を伺い、貴重な資料も拝見させていただきました。とてもご親切にしてくださり本当にありがとうございました。写真はご了解をいただいてアップしてます。
木津宗詮2023年11月4日読了時間: 1分11月4日 稽古場の床東京の稽古場の炉開きです。床は大徳寺大綱和尚筆一行「めでたくかしく」を掛け、前に北野天満宮献茶道具の茶壷の控えを飾りました。床柱に竹一重切花入に西王母椿と照葉。 明治14年に武者小路千家11代家元一指斎が北野天満宮で初めて献茶を奉仕しました。その際に大阪の社中で木津家2代得...
木津宗詮2023年11月3日読了時間: 2分あれから10年あれから10年の歳月が経ちました。父露真が70歳の古稀を迎え隠居するということで、私が7代宗詮を襲名しました。昔の70歳と今の70歳は大違いでまだまだ元気で気力もそんな衰えているということもなく、まだまだこれから茶人としての活躍が期待される状況でした。それにもかかわらず隠居...
木津宗詮2023年8月27日読了時間: 8分跡見花蹊と得浅斎の交流『跡見花蹊日記』には、茶の湯以外での花蹊と得浅斎との交流が多く認められている。文久元年(一八六一)の六月十五日の項には、次のような記述がある。 私、木津さまへ参り、お千枝さまの舞ノ地 致し、暫遊んで帰り候 お千枝とは明治十二年(一八七九)に亡くなった遊心と考えられる。この日...
木津宗詮2023年8月10日読了時間: 4分琴ノ浦 温山荘園(ことのうら おんざんそうえん)明治時代から昭和前期の実業家新田長次郎の和歌山県海南市の別邸です。この別邸は新田の郷里、松山藩旧藩主久松定謨伯爵来阪の際の迎賓館兼新田家別荘として建造されました。また、久松伯爵の他に伏見宮文秀女王、桂太郎、清浦金吾、東郷平八郎、秋山好古などの皇族、華族が訪れています。...
木津宗詮2023年8月3日読了時間: 4分8月2日 稽古場の床昨夜の稽古の床は平瀬露香筆になる短冊「夏月易明」。花は時計草を瓢籠にいれました。 夏月易明 うたゝねに其すゝしさをみる程も 月におくれて覚る夢哉 貞英 夏の月が涼しい光を放ちます。夏の夜は短く、うたた寝をしている間に夜が明けてしまい、あっという間に夢から覚めてしまいます。...
木津宗詮2023年7月29日読了時間: 2分聿斎の最期昭和十四年(一九三九)二月、風邪をこじらせ病床に就き、五月には同十年から設計に携わっていた田利吉邸五風荘の披露茶会が催されるが病床のため参加できなかった。同月十一日、近衛文麿の実弟水谷川忠麿が伏見町四丁目の自宅に見舞いに訪れている。その折、一乗院宮尊応親王から松斎が拝領した...
木津宗詮2023年7月12日読了時間: 1分三猿堂伊木三猿斎は幕末から明治維新の困難な時期に藩政の指揮を執った岡山藩筆頭家老で、裏千家玄々斎に茶の湯を師事しました。大徳寺山門金毛閣に安置される利休居士立像は、三猿斎没後に大徳寺に寄贈されたものです。なお、三猿斎は、釉薬掛けにも独特な味をもった京風な作品を虫明焼に求を始め、岡...
木津宗詮2023年7月1日読了時間: 1分7月1日 稽古場の床宙宝和尚の沢庵和尚白紙賛写です。床柱に紫陽花と蛍袋を蛇籠に入れて掛けました。 軽々白羽過蘆花 是鶴耶鴎耶鷺耶 楮国乾坤象王背 普賢世界布銀砂 沢庵和尚白紙賛 竜宝山頭松月野叟応木津宗詮老求書(印) 軽々たる白羽蘆花を過ぎ 是れ鶴や鴎や鷺や 楮国乾坤象王の背...
木津宗詮2023年6月14日読了時間: 2分茶道学術奨励賞私の七代宗詮襲名の記念に執筆した『千一翁 宗旦の子に生まれて』(宮帯出版)が、公益財団法人三徳庵(大日本茶道学会)な茶道文化学術評価され、茶道文化学術奨励賞をいただきました。 ちょうどその授賞式が学士会館で行われたのが2014年6月16日でした。あれから9年の歳月が経っ...
木津宗詮2023年6月5日読了時間: 2分二代得浅斎の兄2代木津得浅斎(とくせんさい)宗詮は文政5年(1822)播磨国高砂(兵庫県高砂市)の善立寺(ぜんりゅうじ)13代正厳(しょうごん・天保13年10月28日没、49歳)と妙厳(みょうごん・房枝)との間に生まれました。兄にのちに善立寺14世となる正隆(しょうりゅう)がいました。ま...