木津宗詮10月9日読了時間: 1分姫百合秋日詠秋祝言 和歌 為人 姫菊を移して 祝ふ秋の日のかを りも高き木の芽煮 留伊保 姫菊を移して祝ふ秋の日の 香りも高き木の芽煮る庵 冷泉 為人先生の懐紙です。先鋭は上冷泉家第25代当主で、わたしの大学時代の恩師です。 この和歌は今から20年以上前に、あるお祝いでいただいた...
木津宗詮9月15日読了時間: 2分放生会9月15日は石清水八幡宮の放生会(石清水祭)でした。 放生会とは魚や鳥獣を野に放し、殺生を戒める法会です。『金光明最勝王経』長者子流水品には、釈迦仏の前世であった流水(るすい)長者が、大きな池で水が涸渇して死にかけた無数の魚たちを助けて説法をして放生したところ、魚たちは三十...
木津宗詮7月5日読了時間: 2分空ごと山本行範(やまもといくのり・こうはん)と素琴女史画七夕図 の画賛です。 素琴女史についてはどの様な人物か不明です。 ほしあひのそらことなからを とめ子の みやひこゝろのみゑてなつかし 行範 素琴女史(印) 一年に一度だけでの星逢いは本当ではない作り話だけれども、それを真...
木津宗詮6月9日読了時間: 2分6月9日稽古場の床本日の東京稽古は、松平不昧公の詠草を床に掛けました。花は花菖蒲を宗全好み蝉籠です。 思事宇多幣婆那藝奴言霊之 幸波布験麻佐斯加利計理 蘭室主人 思事うたへばなぎぬ言霊(ことだま)の 幸(さき)はふ験(しるし)まさしかりけり...
木津宗詮6月6日読了時間: 1分5月30日稽古場の床2夜の稽古に冷泉為村の短冊「卯花」を掛け、茜焼黄交趾花入に山芍薬を入れました。 卯花 くれ深き籬にさける色はみな 夕の月となかふうの花 為村 夕べの空を煌々と照らす月と見間違うような籬にたわわに咲いた真白い卯の花を詠んでいます。...
木津宗詮6月6日読了時間: 1分5月30 稽古場の床1本日の祇園稽古場は、大綱宗彦の竪詠草「新樹妨月(しんじゅつきをさまたげる)」を掛け、更紗卯木と美中柳、京鹿子、鉄仙、蛍袋を手付籠に入れました。 新樹妨月 大綱 心なくしけりにけりなわかみとり のきはの月を余所にへたて丶 美しい若緑の木々の葉が、無分別に茂ったおかげで、軒端の...
木津宗詮6月5日読了時間: 1分清々しい朝窓を開けるとホトトギスが鳴いています。とても気持ちのいい朝を迎えました。今日は旧暦4月29日です。明日から皐月となります。そこで愚詠一首 さつき待つ山郭来たりなは 人には告けよ夏の訪れ 何か良いことのある兆しかな!
木津宗詮5月18日読了時間: 1分5月16日稽古場の床3祇園の稽古のあとは某料理屋のです。床は江戸中・後期の歌人で下鴨神社祠官の梨祐為の掛葵画賛です。朝鮮唐津蹲花入に鉄仙と都忘れに桂を入れました。 ちはやする加茂の 社のあふひくさ かけてひさしき 世をいのるかな 鴨祐為書(印) 千早降る加茂の社の葵草 掛けて久しき世を祈るかな...
木津宗詮5月18日読了時間: 1分5月18日稽古場の床今日の稽古の床に掛ける冷泉為則の詠草「閑居夏といふ心を」です。花は五月梅を竹円窓花入に入れました。 草のとににほふ霞の春すきて わか葉さくらの木かくれの庵 草で屋根をふいた簡素でわびた庵の木戸に霞がかかって桜の花が美しく色を染める春も過ぎました。今は桜の若葉が重なりあった陰...
木津宗詮5月16日読了時間: 1分新緑昨日の春日大社は新緑に輝いてました。 まさに薫風南より来るです。 あと半月もすれば梅雨になります。 この好季節にも限りがあります。 みなさん今を堪能しましよう! 満喫しましょう! 愚詠一首 薄もえき日影をあひて若々し 深山の木々の萌ゆる初夏
木津宗詮5月16日読了時間: 1分5月14日 稽古場の床月次歌会を終えて春日大社職員の稽古。床は有隣斎筆になる在原業平の和歌を掛け、段菊と甘野老(あまどころ)を竹一重切花入に入れました。 から衣きつゝなれにし つましあれは はるゝゝきぬるたひをしそ おもふ 守書 何度も着て身になじんだ唐衣のように、長年慣れ親しんだ都にいる妻を残...
木津宗詮5月11日読了時間: 2分5月11日 稽古場の床本日の東京稽古場の床は冷泉為泰の鯉詠草です。あやめを丹波焼の南蛮粽写花入に入れました。 岩かねを (花押) 落くる た(田) きは(喜八) 百年もたえす のほれる 鯉や嬉し き 「鯉の滝登り」の故事をふまえた歌です。みごとな岩盤から落ちてくる滝を百年絶えず登る鯉はうれしい...
木津宗詮5月10日読了時間: 2分5月9日 稽古場の床1本日の奈良稽古場の床は、大綱和尚の詠草「郭公(ほととぎす)を待つ」を掛け、さんざしと甘茶を伊賀焼耳付花入に入れました。 待郭公 前大徳寺大綱 きかはやと 誰もまつらん 郭公 夏立つ日より 鳴物にして ホトトギスは、5月ごろにインドや中国南部から日本まで渡ってくる鳥です。ツバ...
木津宗詮5月9日読了時間: 2分ほととぎす杉木普斎の作になる竹茶杓「ほとゝきす(保登ゝ幾須)」です。箱には「有麦隠士(花押)」と認められています。 ホトトギス・時鳥は夏の鳥で、古来、旧暦4月立夏にやってくる鳥とされていました。そのけたたましい鳴声は、「キョッキョッ...
木津宗詮5月2日読了時間: 1分杜若加藤千蔭賛になる酒井抱一画杜若図です。 抱一冩意(印) 者多可気 かきつはたかけみる 介 史 いけやむらさきの 本 可 にほふをとめか 舞 かゝみなるらむ 千蔭 杜若かげ見る池や紫の 匂ふ乙女が鏡なるらむ 可憐にそして清楚に紫に映える池が、まるでかきつばたを眺め...
木津宗詮4月28日読了時間: 1分4月26日稽古場の床2自宅稽古場の床は、香川景樹懐紙「萎花蝶飛去(はなしぼんでちょうとびさる)」です。花は小手毬と黒臘梅を竹円窓花入に入れました。 春日詠萎花蝶飛去 和歌 長門介平景樹 この里ははなちり たりととふ蝶の急 くかたにも風やふ くらむ...