木津宗詮11月13日読了時間: 1分都忘れたなづくるも憂いかにして契りおきけむ白菊を 都忘れと名づくるも憂し 承久の変に敗れて佐渡に流された順徳上皇の御製です。配流の島で父帝が愛された白菊の花を「都忘れ」と名付けて愛着することを、いかなる因果の巡り合わせかと嘆じています。 承久の変で幕府に敗れた後鳥羽上皇は隠岐島、順徳上皇は佐渡...
木津宗詮10月6日読了時間: 1分一味神水京都市岩倉の幡枝八幡宮の例祭。とても興味深い祭で、総代始め氏子の代表が社務所からリレーで神饌を供え、祭典終了後、舞殿に宮司以下参列者が昇殿し、巫女の神楽、茂山社中による翁の舞、一同が謡曲「高砂」の一節を謡い、そのあと神酒を拝戴で直会となりました。最初に宮司と裃を着用した総代...
木津宗詮9月15日読了時間: 2分放生会9月15日は石清水八幡宮の放生会(石清水祭)でした。 放生会とは魚や鳥獣を野に放し、殺生を戒める法会です。『金光明最勝王経』長者子流水品には、釈迦仏の前世であった流水(るすい)長者が、大きな池で水が涸渇して死にかけた無数の魚たちを助けて説法をして放生したところ、魚たちは三十...
木津宗詮7月25日読了時間: 2分天神祭青蓮院門跡尊円入道親王筆になる「南無天満自在天神」です。 「南無」は仏や菩薩などを信じ敬い、それに帰依することを表す語です。「天満自在天神」とは菅公(菅原道真公)の御神号です。 『北野天神縁起絵巻』によると、菅公が晩年に配所太宰府の天拝山で無実を訴える祭文を読上げると、帝釈...
木津宗詮6月30日読了時間: 2分夏越祓望月玉渓(もちづき ぎょくけい)の夏越祓図です。 望月玉渓は明治7年(1874)に玉泉の子として京都に生まれました。父に画技を父に学び、望月派の5代目となり、昭和13年(1938)に亡くなっています。画風は望月派の伝統的で緻密なものです。...
木津宗詮6月9日読了時間: 2分6月9日稽古場の床本日の東京稽古は、松平不昧公の詠草を床に掛けました。花は花菖蒲を宗全好み蝉籠です。 思事宇多幣婆那藝奴言霊之 幸波布験麻佐斯加利計理 蘭室主人 思事うたへばなぎぬ言霊(ことだま)の 幸(さき)はふ験(しるし)まさしかりけり...
木津宗詮6月6日読了時間: 2分6月6日稽古場の床自宅稽古場の床は、大綱和尚筆になる『徒然草』第百十七段です。花は、今朝庭で咲いた花菖蒲を二代須田菁華の染付高砂写し花入に入れました。 兼好法師のつれゝゝ草に 筆をとれハ物書かれ、楽器をとれハ音をたてんとおもふ、盃とれハ酒を思ひ、賽をとれハ攤うたん事を思ふ、心ハ必らす事ニふれ...
木津宗詮6月6日読了時間: 1分6月6日稽古場の床1祇園稽古場の掛物は、建仁寺の元管長竹田益州老師の栄西禅師の『喫茶養生記』の巻頭です。花は紫陽花と白花の下野、蛍袋を手付籠に入れました。 茶 養生仙薬 延齢妙術 栄西禅師語 法孫益州書(印) 茶の徳を讃える名言です。 建仁寺の開山栄西禅師は、中国南宋の禅院で行われていた茶...
木津宗詮6月6日読了時間: 1分6月3日稽古場の床本日の稽古場の床です。11代一指斎の一行「茶能得維和之友」を掛け、小海老草と都忘・利休草を丹波焼徳利に入れました。 茶能得維和之友 一指斎書(花押) 茶を通じて心穏やかな友と縁を結ぶことのできます。そんな素晴らしいものが茶の湯です!
木津宗詮6月6日読了時間: 1分5月30日稽古場の床2夜の稽古に冷泉為村の短冊「卯花」を掛け、茜焼黄交趾花入に山芍薬を入れました。 卯花 くれ深き籬にさける色はみな 夕の月となかふうの花 為村 夕べの空を煌々と照らす月と見間違うような籬にたわわに咲いた真白い卯の花を詠んでいます。...
木津宗詮6月6日読了時間: 1分5月30 稽古場の床1本日の祇園稽古場は、大綱宗彦の竪詠草「新樹妨月(しんじゅつきをさまたげる)」を掛け、更紗卯木と美中柳、京鹿子、鉄仙、蛍袋を手付籠に入れました。 新樹妨月 大綱 心なくしけりにけりなわかみとり のきはの月を余所にへたて丶 美しい若緑の木々の葉が、無分別に茂ったおかげで、軒端の...
木津宗詮6月6日読了時間: 1分5月28日稽古場の床鈴鹿の椿大神社の稽古。床に少庵350年忌の折に三千家家元により認められた扇面「緑水青山」を掛け、宗全籠に蛍袋、甘茶、下野、虎の尾、糸葉春車菊を入れました。 緑水 守(花押) 青 左(花押) 山 室(花押) この時の家元は武者小路千家は先代有隣斎、表千家は先々代即中斎、裏千家...
木津宗詮6月6日読了時間: 2分5月20日稽古場の床本日の大阪稽古場の床は、大徳寺の無学宗衍の墨跡「薫風自南来 殿閣生微涼」です。白山の鉈籠に露草、段菊、姫小判草を入れて床柱に掛けました。 薫風自南 来 殿閣生微 涼 前龍寶無学書(印) 唐の文宗が前半の句を作り、柳公権が後半をつけた詩が元になっています。...
木津宗詮6月4日読了時間: 1分能舞台の鏡板「影向の松」春日大社一の鳥居をくぐってすぐの参道右側の黒松。延慶2年(1309)の春日権現験記にも記された古い巨木であったが、平成7年(1995)に枯れ、現在は巨大な切り株の横に後継樹の若木が植えられています。 この影向の松は、春日大明神がこの松に降りて来られて萬歳楽を舞ったとされる木...
木津宗詮5月23日読了時間: 1分西雲院朝鮮出兵である文禄の役の時に日本に連行された朝鮮人宗厳が建立した西雲院です。 宗厳は滝川雄利の娘に仕え、その死後な出家し、法然上人由縁の紫雲石を当時の黒谷金戒光明寺の住職から与えられて同院を開山しました. 宗厳は一心不乱に念仏を唱え、その元に多くの僧俗が集まり、千日念仏惣回...
木津宗詮5月21日読了時間: 3分王鞬南(おうけんなん)黒谷金戒光明寺の塔頭西雲院はは、安土桃山時代の慶長文禄の役で捕らえられて日本に連れて来られた李氏朝鮮の宗厳が開基になる寺です。 西雲院の山門をくぐった左側に、蓮台に坐して左足を垂らし右足を左足の太ももの上で組んだ半跏趺坐(はんかふざ)で、右手に蓮華を持ち、チベット仏教のラマ...
木津宗詮5月20日読了時間: 1分春日燈篭世に春日燈篭と呼ばれる燈篭は数え切れないほどたくさんあります。 一般的に春日燈篭とは、火袋は六角柱で,二面に雌雄の鹿,他の二面に雲形の日月が彫られ,残りの二面は彫りぬかれたものをいうそうです。この燈篭の元になるものが春日大社にあることからの命名とされています。...
木津宗詮5月18日読了時間: 2分土田湖流2昨日、薄さんのお宅で拝見した土田湖流遺愛の茶箱を見せてもらいました。実際は3代聿斎好みの一閑張りの菓子器です。かつて私が手に入れたのがこれです。側面に杜甫の絶句の一節が朱漆で認められています。 両箇黄鸝鳴翠柳 一行白鷺上青天...