木津宗詮2023年8月1日読了時間: 6分八朔(はっさく)八朔とは八月朔日の略で、旧暦の8月1日のことです。今日は茶の湯の世界では、各家元で門人や出入りの職方や業者により八朔の挨拶が行われます。また、京都の花街でも黒紋付に白塗りの正装をした芸妓や舞妓が日頃からお世話になっているお茶屋さんに「おめでとうさんどす」って言って挨拶回りを...
木津宗詮2023年7月30日読了時間: 3分犬の伊勢参り日本の犬はとてもおとなしくて、吠えもせず道の真ん中に寝そべっている。われわれが近づいても、相変わらずそのままでいるので、犬を踏み殺さないよういつもよけて通らなければならない。(『シュリーマン旅行記清国・日本』) ハインリッヒ・シュリーマンはドイツの考古学者で実業家で、ギリシ...
木津宗詮2023年7月27日読了時間: 3分天下第一泉近重物闇(ちかしげぶつあん)行脚画讃です。 八十行脚 随處喫茶去 用天下第一泉 水磨墨 物安(印) 八十行脚随處喫茶去用天下第一泉水磨墨 八十行脚(あんぎゃ)随処(ずいしょ)に喫茶去(きっさこ) 天下第一泉の水を用いて墨を磨(す)る...
木津宗詮2023年7月25日読了時間: 3分天神祭昨為北闕被悲士 今作西都雪恥尸 生怨死歓其奈我 今須望足護皇基 御宸翰賛写 前大徳文渓叟書(印) 昨(きのう)は北闕(ほっけつ)に悲しみをこうむる士となり 今(きょう)は西都(せいと)に恥を雪(すす)ぐ尸(かばね)となる 生きて怨み死して歓びそれ我をいかにせん...
木津宗詮2023年7月24日読了時間: 2分弦召そう祇園祭というと山鉾巡行のイメージですが、一番大切なのは御神霊が乗った三基の御鳳輦です。こんなこと書くとお叱りを受けるやもしれませんが山も鉾も添え物みたいなものです。 今日は御神霊が四条の御旅所から中御座神輿(なかござみこし)・東御座神輿(ひがしござみこし)・西御座神輿(にし...
木津宗詮2023年7月23日読了時間: 4分鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしい!40代以上の方には懐かしい横溝正史の原作になる映画「悪霊島」のキャッチコピーです。ビートルズの「レット・イット・ビー」がバックに流れ「鵺の鳴く夜は恐ろしい…」というキャッチコピーがとても鮮烈でした。 鵺とは『平家物語』では顔は猿、胴は狸、手足は虎、尾は蛇。『源平盛衰記』では...
木津宗詮2023年7月18日読了時間: 2分朝もやを切り払う榊原文翠(さかきばら ぶんすい)の長刀鉾の画賛です。 朝もやを きりはらひてや す丶むらむ 長刀鉾の とく ゆする なり 榊原文翠は 享和3年 (803に) 江戸に幕臣榊原長基の子として生まれています。幼名は芳太郎、名は長敏、別号に佳友・鶴松翁・気揚山人などがあります、はじ...
木津宗詮2023年7月18日読了時間: 1分北向道陳(きたむきどうちん)北向道陳(きたむきどうちん)は利休の最初の茶の湯の師匠です。家が北向きであったため「北向」と名乗ったと伝えられています。堺の舳松町(へのまつちょう)に住み医師であったといわれています。能阿弥の弟子・島右京(空海)より東山流の茶法を受け、武野紹鴎と親交し、利休を紹鴎に推薦して...
木津宗詮2023年7月16日読了時間: 2分月に鉾鈴木百年(すずき・ひゃくねん)の鉾の図です。 鈴木百年は四条派の画家で、嘉永元年(1848)京都生に生まれました。天文・易学で知られる鈴木星海の子で、日本画家鈴木松年の父にあたります。名は世寿、字は子庚。別号に大椿翁・大年等。岸連山に就き、与謝蕪村・呉春・日根野対山の風を慕...
木津宗詮2023年7月15日読了時間: 1分滑石越(すべりいしこえ)山科西野の大石神社のすぐ近くから今熊野へ通じる道です。大石内蔵助が冬にここを越えて祇園町に赴いた際、も足を滑らせたことから「大石も滑る」から「すべり石」となったとする説もあります。 大石内蔵助所縁と伝えられる「大石内蔵助一服の石」があります。
木津宗詮2023年7月13日読了時間: 1分7月13日 稽古場の床土佐光貞画祇園祭榊台図です。花入に見立てた魚籠に宗旦木槿、檜扇水仙、河原撫子、薄荷、風船葛を入れました。 毎年7月17日の祇園祭神幸祭で、八坂神社より渡御する神輿巡行の先導を神を迎える依代(よりしろ)榊台が供奉します。古くは、御座ごとにあったそうですが、現在は唯一「豊園泉正...
木津宗詮2023年7月12日読了時間: 1分三猿堂伊木三猿斎は幕末から明治維新の困難な時期に藩政の指揮を執った岡山藩筆頭家老で、裏千家玄々斎に茶の湯を師事しました。大徳寺山門金毛閣に安置される利休居士立像は、三猿斎没後に大徳寺に寄贈されたものです。なお、三猿斎は、釉薬掛けにも独特な味をもった京風な作品を虫明焼に求を始め、岡...
木津宗詮2023年7月6日読了時間: 3分水を踏むのに地の如し近衛文麿の横物「踏水如地」です。 踏水 如地 (印) 水を踏むのに地の如し 出典は、沢庵宗彭が剣法と禅法の一致(剣禅一致)についての執筆した『不動智神妙録(ふどうちしんみょうろく)』です。 踏水如地、踏地如水、若得此自由、尽大地不奈他、悉絶同侣...
木津宗詮2023年7月5日読了時間: 2分バドゥイジャワ島西端のバンテン州の山地に住むバドゥイ族は400年以上イスラム化も近代化も拒みながら、孤立の文化を守ってきた人びとです。一説によると、1579年に、バンテンのイスラム勢力によって、ヒンドゥー王国のパジャジャランが滅亡した後、山中に逃れ去った一族の子孫ということです...
木津宗詮2023年7月4日読了時間: 1分理平焼当代不徹斎家元が宗守襲名前の宗屋時代に好んだ先代紀太理平作になる理平焼波絵茶碗です。 理平焼は、初代高松藩主松平頼重が野々村仁清の弟子森島作兵衛を招き焼かせた御庭焼がルーツとなっています。のちに作兵衛は紀太理兵衛と名を改め、高松藩別邸栗林荘の北に窯を築きます。以降、代々「理...
木津宗詮2023年7月3日読了時間: 1分7月2日 稽古場の床宙宝和尚の沢庵和尚白紙賛写です。床柱に紫陽花と蛍袋を蛇籠に入れて掛けました。 軽々白羽過蘆花 是鶴耶鴎耶鷺耶 楮国乾坤象王背 普賢世界布銀砂 沢庵和尚白紙賛 竜宝山頭松月野叟応木津宗詮老求書(印) 軽々たる白羽蘆花を過ぎ 是れ鶴や鴎や鷺や 楮国乾坤象王の背...
木津宗詮2023年7月2日読了時間: 2分ほとゝきす今回の稽古では、杉木普斎の作になる竹茶杓「ほとゝきす(保登ゝ幾須)」を用いています。箱には「有麦隠士(花押)」と認められています。 ホトトギス・時鳥は夏の鳥で、古来、旧暦4月立夏にやってくる鳥とされていました。そのけたたましい鳴声は、「キョッキョッ...