木津宗詮2023年12月18日読了時間: 1分今年の名残り2乙卯 歳旦 あけわたる都の 春におふ内の山も かすみて今朝のの とけき 後西院の御宸筆です。先日の湊川神社月釜で床に掛けました。正月の歌ですが、今年の名残りということで取り合わせました。12年後の次の卯歳に使うことができるかわかりません。明日のこともわからないので、極端なこ...
木津宗詮2023年12月16日読了時間: 1分不識茶会建仁寺11世蘭渓道隆が開いた塔頭西来院での二日にわたる茶会「不識茶会」の手伝いを無事に終えました。この茶会は蘭渓道隆の遺徳を偲ぶ茶会で、木津家とは初代宗詮以来、格別深い縁の大阪谷松屋戸田商店が薄茶席を担当しました。両日にわたり私は後見を務めさせていただきました。
木津宗詮2023年12月16日読了時間: 2分忠臣蔵帰宅してテレビをつけると忠臣蔵をやってました。往年のスターが出演している映画でした。 その時、ふと思い出したのが、以前、社中の宮司さんの神社のご祭神が大フレークしたときのお話しです。 うちはたった一人の神さんでブレークしてるけど、大石さんは47人、それに浅野内匠頭と吉良上野...
木津宗詮2023年12月13日読了時間: 1分12月13日 稽古場の床本日の祇園稽古場の床は、劇聖と謳われた9代目市川団十郎の長女2代翠扇の勧進帳の画賛です。弁慶が勧進帳を読む姿を描き、その台詞の「其徳廣大無量(そのとくこうだいむへん)」を賛として認めています。花は西王母と臘梅を安南染付の花入に入れました。...
木津宗詮2023年12月13日読了時間: 2分事始め12月13日は「事始め」。年を司る神様を年神様といい、年神様を迎えるために正月行事の準備を始める日を事始めといいます。ちなみに一般的ではありませんが、後片付けもすべて納めるのが2月8日の「事納め」です。2ヶ月近くの年神様に関する一連の「事」を終えてようやく春を迎え、田畑を耕...
木津宗詮2023年12月12日読了時間: 2分12月6日 稽古場の床近衛前久「述懐一に非ず」の詠草を床にかけました。伊万里の徳利に神楽椿と臘梅を入れました。 述懐 非一 杉 おやをおもひ 子を あはれむも とりとりに くらへくるしき物にそ 有ける 近衛前久「述懐一に非ず」という題で、杉というのは前久の一字名です。述懐とは心の中の思いをのべる...
木津宗詮2023年12月11日読了時間: 2分12月11日稽古場の床本日の稽古場の床は、愈好斎の賛になる服部春陽画鴟鵂(しきゅう・みみずく)図です。鴟鵂、すなわち木兎(みみずく)は冬の季語として俳句に詠まれる鳥です。常盤山楂と寒菊を竹一重切花入に入れました。なお、服部春陽は愈好斎の門人で、川村曼舟・小村大雲・庄田鶴友・春挙門の四天王で間雲子...
木津宗詮2023年12月6日読了時間: 1分薏苡仁湯(よくいにんとう)薏苡仁湯(よくいにんとう)は、ツムラの漢方薬で知られていますが、薏苡仁糖菓子として八代で売られています。 そもそも肥後国(熊本)八代城主で利休七哲の一人である細川忠興(三斎)が、ハトムギのおこしを作らせたことに始まります。ところが約50年前に製造が途絶えたそうで、それを惜し...
木津宗詮2023年12月5日読了時間: 2分広大無量歌舞伎の「勧進帳」は、壇ノ浦で平家を滅ぼした源義経が、兄頼朝から謀反人として追われる身となりました。そこで山伏姿に身をやつした弁慶たち数人の家来とともに、その荷物持ちの強力に変装して、奥州の藤原秀衡のもとをたよって陸奥国(東北地方)へと落ちのびていきます。加賀国(石川県)安...
木津宗詮2023年11月28日読了時間: 2分二十四孝(にじゅうしこう)「二十四孝」とは、中国において後世の範として古来有名な孝子24人をいいます。五帝の一人虞舜(ぐしゅん)・漢の文帝・曽参(そうしん)・閔子騫(びんしけん)・仲由・董永(とうえい)・剡子(えんし)・江革(こうかく)・陸績(りくせき)・唐夫人(とうふじん)・呉猛(ごもう)・王祥(...
木津宗詮2023年11月27日読了時間: 3分臨終この世をばわが世とぞ思ふ望月の かけたることもなしと思へば との歌を詠んで摂関時代の全盛期に廟堂の頂点を極め、朝政を主導してこの世の栄華を極めた藤原道長も、その後体調を崩して病に苦しみ、その原因が怨霊の祟りであるとして出家して浄土信仰に傾倒し念仏を三昧の日々を送りました。そ...
木津宗詮2023年11月27日読了時間: 1分船廊下船廊下は、滋賀県長浜市竹生島の宝厳寺観音堂と都久夫須麻神社を結ぶ屋根付きの廊下です。豊臣秀吉の御座船の用材を用いて建てたという伝承から「船廊下」と呼ばれています。
木津宗詮2023年11月23日読了時間: 2分新米子どもの頃に母親が食事の時に「今日は新米やで」と特に言われた時、なにかとても嬉しく、美味しいご飯を食べたことを思い出します。「古米」という言葉を久しく耳にしなくなりました。美味しいコメのなる稲の品種改良が進み、またその保存の技術が向上し、また美味しいご飯を炊くことのできる炊...
木津宗詮2023年11月22日読了時間: 2分今日は最も大切な日のひとつ!元大徳寺僧堂師家川島昭隠老師の「大燈国師五条橋下図」です。 乞者堆裏 被席生擒 依貪甘瓜 乞者(こつしゃ)堆裏(たいり) 席(むしろ)を被(かぶ)り生擒(せいきん)せらる 甘瓜(てんか)を貪(むさぼ)るに依って 髭を伸ばし乞食のような貧しい身なりで眼光するどい大燈国師は右手...
木津宗詮2023年11月20日読了時間: 1分茶篩箱(ちやふるいばこ)と茶篩茶篩箱(ちやふるいばこ)と茶篩です。 茶篩箱は茶臼(ちやうす)で碾茶(てんちや)を挽(ひ)いた時にきめの荒い茶を篩う道具です。長方形の桐の蓋つきの箱に金網を張った掛子(かけご)が入っていて、鞴(ふいご)に似た手がついています。金網の張られた掛子に茶を入れ、蓋をして手を動かす...
木津宗詮2023年11月19日読了時間: 1分源融陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに 河原左大臣 『小倉百人一首』の源融の和歌です。 源融は嵯峨天皇の第十二皇子で、紫式部『源氏物語』の主人公光源氏の実在モデルとされ、融神社は融ゆかりの神社です。 しのぶもぢずりとは、現在の福島県信夫地方で作られていた、...
木津宗詮2023年11月16日読了時間: 1分最高敬語あそばされるは「する」、有らせられる「居る」、おかせられる「於く」、賜う「する、与える」です。 これらは最上級の尊敬表現で、天皇や皇族に対してのみ用いられる最高敬語です。戦前は一般的に用いられていた敬語表現で、戦後は一部を除き廃れてしまいました。...