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執筆者の写真木津宗詮

10月24日 稽古場の床

三重県の某団体の職員の稽古でした。床に大綱宗彦の白紙賛。前に秋明菊と時鳥を萩焼の花入に入れ、書院に紙釜敷に砧香合を飾りました。

したしきも

   うとく

    成ゆく

  人の世に

 月はいくよの

   秋も

  かはらし

    大綱

いくら親しくても、歳月やおかれている立場により人は疎遠になります。これも浮世の定めです。それに対して月はどれほど時代が経ってもなにひとつ変ること無く、毎年、秋には美しい光を放っています。

かって稽古にきていた社中が就職や結婚、転勤で遠く離れていった人が、昔と同じ思いでいてくれて再会した時の嬉しさは代え難いものです。

先日も就職試験のため長らく稽古を休んでいた某大学の大学院生が、使用期間を無事に終え某市の資料館の学芸員に無事に採用されたということで律儀に報告にきてくれました。社会人になり大人っぽく逞しくなっていました。これから稽古も復活するとのことでとても嬉しく思いました。


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