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執筆者の写真木津宗詮

12月13日 稽古場の床

本日の祇園稽古場の床は、劇聖と謳われた9代目市川団十郎の長女2代翠扇の勧進帳の画賛です。弁慶が勧進帳を読む姿を描き、その台詞の「其徳廣大無量(そのとくこうだいむへん)」を賛として認めています。花は西王母と臘梅を安南染付の花入に入れました。

歌舞伎の「勧進帳」は、源義経主従が山伏姿で奥州に落ちて行く途中、安宅関に至り、弁慶は勧進帳を読みあげ、さらに、疑いをはらすために主を打ちすえ、無事通過するという内容です。

賛の「其徳広大無量」弁慶が読み上げる勧進帳の一節です。

その徳広大無量なり、肝に彫(え)り付け、人にな語りそ、あなかしこあなかしこ、大日本の神祇、諸仏菩薩も照覧あれ、百拝稽首(ひゃっぱいけいしゅ)畏(かしこ)み畏み 謹んで申すと云々、かくのとおおぉり。

翠扇は明治21年初舞台を踏み、団十郎没後、団十郎家の舞踊市川流をつぎ、40年2代翠扇を襲名しています。夫は5代市川三升(没後10代目市川団十郎)。妹富貴子(市川旭梅)と共に明治座・歌舞伎座などの舞台に立ち日本初の女優の一人となり、昭和19年に64歳で亡くなっています。

京の風物詩である今年の年末恒例東西合同大歌舞伎「吉例顔見世興行」は、13代目市川團十郎白猿襲名披露と8代目市川新之助初舞台が行われています。


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