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執筆者の写真木津宗詮

5月9日 稽古場の床1

本日の奈良稽古場の床は、大綱和尚の詠草「郭公(ほととぎす)を待つ」を掛け、さんざしと甘茶を伊賀焼耳付花入に入れました。

待郭公

前大徳寺大綱

きかはやと

誰もまつらん

郭公

夏立つ日より

鳴物にして

ホトトギスは、5月ごろにインドや中国南部から日本まで渡ってくる鳥です。ツバメなど他の渡り鳥よりも渡来時期が遅く、托卵するのに対象とするウグイスの繁殖が始まるのにあわせ、また餌の毛虫が早春だといないからだそうです。

「キョッキョッ キョキョキョキョ」とか、「ホ・ト・…・ト・ギ・ス」いうけたたましい鳴き声が名前の由来という説があります。この鳴き声の聞きなしとして「本尊掛けたか」や「特許許可局」や「テッペンカケタカ」が知られています。

むかしからホトトギスは夜に鳴く鳥として珍重されました。その年に初めて聞くホトトギスの鳴き声を特に「初音」といい、『枕草子』ではホトトギスの初音を人より早く聞こうと夜を徹して待つというくだりがあります。

むかしの人はホトトギスを夏になって飛来する鳥としていました。この和歌もそのことを踏まえて詠まれています。ちなみに今年の立夏は5月5日(旧暦3月27日)でした。実際、ホトトギスは人の作った暦に合せて飛来するのではありません。旧暦3月春に鳴くこともあります。それを和歌では、ホトトギスが耐えかねて発する声、「忍び音」としています。

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