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執筆者の写真木津宗詮

『説文解字』に「承」は、

奉ずるなり、受くるなり、手に従ひ、卪(せつ)に従ひ、𠬞(きょう)に従ふ

とあります。「卪」はひざまつくとかしるしという意味です。日本語ではあまり使用されない漢字です。「𠬞」は捧げるとか恭しい、という意味があります。𠬞という文字は𠂇+又の会意で、𠂇は左手、又は右手。異体字に「廾」があります。音符として兵(斤+廾)、奉(丰+廾+手)、戒(戈+廾)、菐(丵+廾)など多くの会意字に含まれています。「𢪒」という異体字もあります。これは両手を表しています。

辞書によると、「承」には前のものを受け継ぐという意味があります。熟語には「承継」前の代からのものを受け継ぐこと。「口承」口から口へと語り伝えること。「承句」漢詩の絶句で起句の意をうけて詠む句。すなわち第2句のことです。(起承転結)『継承』前代の人の身分・仕事・財産などを受け継ぐこと。

また、相手の意向を受け入れるという意味もあります。熟語に「承諾」相手の意見・希望・要求などを聞いて受け入れること。古くは「じょうだく」と読みました。「承認」そのことが正当または事実であると認めることや、 よしとして認め許すこと。聞き入れること。 国家・政府・交戦団体などの国際法上の地位を認めること。「承知」事情などを知ることや知っていること。 依頼・要求などを聞き入れること。 相手の事情などを理解して許すこと。「不承不承」気が進まないままにするさまとかいやいや、しぶしぶといった意味です。

大阪のさる料理やさんのレジに掛けられた扁額です。筆者は頼山陽です。でも相当時代が経っていて戦前の人に間違いありません。レジは支払いだけでなく、お客の意向・申し出を受けるところです。これが選ばれて掛けられている機知ない感服します。ただしどれほどのお客さんがそのことを理解しているかは不明です。

私も「承」ります。どんどんご用命ください!いい仕事をしますよ!


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