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執筆者の写真木津宗詮

卯の花

卯の花の匂う垣根に

時鳥早も来鳴きて

忍音(しのびね)もらす夏は来ぬ


佐佐木信綱作詞の童謡「夏は来ぬ」です。卯の花が垣根に美しく咲き、時鳥が忍び音をもらしています。いずれも初夏を象徴する風物詩です。

昨夜半、時鳥の初音を聴くことができました。そして、先日、大原に赴いた時に卯の花を愛でることができました。やはり植物や生き物は正直ですね。しかるべき季節がやってくると飛来したり開花したりします。また、この佐々木信綱の詩もまさに日本の風物詩そのものですね。

卯の花はユキノシタ科の落葉低木で、たくさんのの白い花をたわわに咲かせ、5枚の細長い花弁でや半開きの状態で咲き、八重咲きもあります。旧暦4月・卯月に咲くことから「卯の花」と呼ばれています。また、茎が中空であることから「空木(うつぎ)」の別名もあります。

京都鶴屋の「卯の花」です。丹波大納言の粒餡を丸めたものに、そぼろ状した緑の餡を付け、卯ノ花に見立てたいも餡を5、6ケ所のせています。本物の卯の花同様、まことに清楚な趣で、いかにも初夏の風情にふさわしいお菓子です。


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