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執筆者の写真木津宗詮

岩田喜八

本日は端午の節句です。床に冷泉為泰の鯉詠草を掛け、花菖蒲を染付高砂写花入に入れました。


   (花押)

岩かねを

  落くる

 田

  喜八

百年もたへす

   のほれる

  鯉や嬉し

      き


為泰のこの歌は「鯉の滝登り」の故事をふまえたものです。みごとな岩盤から落ちてくる滝を百年絶えず登る鯉はうれしいものであると歌っています。この詠草の特に文字を大きく強調して書かれている「岩・田・喜、八」の文字には、「岩田喜八」なる人物の姓名が読み込まれています。岩田喜八の親が、息子の初節句の記念に為泰に依頼して書かれたものと思われます。みごとな詠草です。

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