新型コロナの蔓延で各茶会が中止を余儀なくされ、稽古の参加者も激減する昨今ですが、今年は感染対策を十分に施して限られた方をお招きして黒谷西翁院で催しました。
当日は、今年の干支である虎に因む道具や新年を寿ぐ道具組でお茶を差し上げました。特に濃茶席の床には戦国大名の三好長慶の帰依を受け、堺の南宗寺の開山で大徳寺90世大林宗套(だいりんそうとう)の一行「虎嘯而風烈(虎嘯きて風烈しい)」の墨蹟を掛けました。一日も早く新型コロナを烈しい風で吹き飛ばしてもらいたいとの思いを込めました。大林は武野紹鴎はじめ堺の豪商の帰依や茶人の参禅を受け、後の堺での茶の湯の発展に多大な影響を与えたた禅僧です。
感染防止にとても気を使いましたが、とりあえず無事終えることができました。本当にお出ましにくい中をお越し下さいました方には心より御礼申し上げます。また早朝より水屋を手伝ってくれた社中の皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。
なによりも普段LINEやメッセージでやりとりしている人たちと直接顔を合わせて話をするのがとても心地よく、なんともスッキリした気分に浸ることができました。便利な時代になっても、やっぱり直接接するということには及びません。改めて人と人との繋がりとはどういうものかというのがよく分かりました。
会 記
時、二月二十日
於、黒谷西翁院
寄 付
床 愈好斎虎画賛 抱朴子日、虎寿千歳五百歳、則変白
不徹斎箱
炭斗 凌雪好 アイヌ莚丸 愈好斎箱 木遊軒造
羽箒 朝鮮鶴 無適斎箱
鐶 大釻 普斎箱
釜敷 糸組 梅
火箸 真伯好 桑柄 一指斎箱
灰器 玉水 直斎好 玉川 共箱 弥兵衛造
灰匙 直斎好 大判 聿斎箱 金長造
淀看席
花入 宗貞作 竹 一重切 銘痩馬
花 綰柳 椿
濃茶席
床 大林宗套筆 一行 虎嘯而風烈
前に上賀茂神社直会盆に妙全紫交趾小槌押と神宮熨斗
書院に一閑硯箱に板文庫と料紙
花入 安南染付
花 時のもの
香合 庸軒好 標有梅 彭祖宗哲造
帛紗 大宮御所卓子点茶台覧之節下賜裂地 耕甫絵
聿斎筆 はるの野にうつむきてさく 聿斎箱
帛紗 愈好斎好 鶏頭裂 襲名記念 共箱 聿斎外箱
釜 十王口 宗旦相国寺巣松軒へ寄付 直斎箱
縁 白檀塗菊絵 道志造
先 愈好斎好 名取河
しほの山さしての磯にすむ千鳥
君か御代をは八千代とそ鳴く 木屑造
水指 呉須 雲堂
棚 直斎好 木地梅棚 聿斎箱 市郎兵衛造
茶入 瀬戸 春慶手 瓢 銘常盤 愈好斎箱
袋 真伯玉
茶器 直斎好 二本松茶桶 土佐光貞下絵 平瀬家伝来 宗哲造
茶碗 是誰手造 赤 大福 共箱
茶碗 是誰手造 赤 大福 共箱
替 黒 宝珠絵 得入造
々 赤 龍の絵 覚入造
々 赤 不徹斎筆 嘯 竹絵 直入造
々 黒 十六代襲名記念 吉左衛門造
茶杓 直斎作 銘鶯宿梅 共筒 林光院三甫筆
勅ナレハ最いとモ賢かしこシ鴬ノ
宿ハト問ハ如何カ答ン
松鴎庵玉峯箱 鴬宿梅香合残木以て造る
蓋置 突羽根 愈好斎箱 金長造
建水 伝来形 唐銅餌畚 浄益造
御茶 嶺雲の昔 祇園辻利詰
菓子 深山の雪 京都鶴屋製
器 明治二年御下賜天盃
替 内侍所土器
薄茶席
床 聿斎旭自画讃 波に旭日絵
静なえう御世のすかたか果てもなく
ゆたけき海に朝日かゝよふ
花入 聿斎 竹 置筒 銘暁天 在判共箱 玉造の竹を以て造る
花 時のもの
香合 直斎 文叔手造長老喜写 在判
帛紗 帛紗 愈好斎好 鶏頭裂 襲名記念 共箱 聿斎外箱会
釜 直斎好 塁座 道也造
水指 宋胡録 塵籠形 小堀政峯箱
杓立 銀襴手 鳳凰絵 耳付 愈好斎箱 桐山造
火箸 梅頭 愈好斎箱 金長造
板 真塗長板
棚 某好 立礼卓
茶器 溢梅蒔絵大棗 松斎箱 宗哲造
茶碗 黒 筒 銘青柳 一啜斎箱 左入造
替 不徹斎竹画讃 嘯 共箱 直入造
々 聿斎乙丑試筆 虎 共箱 菁華焼
茶杓 松斎作 竹 銘寿老 共筒共箱
蓋置 祥瑞 竹
建水 折紙絵 四方 乾山造
菓子 竹 千代結 伊織製
大吉 三友堂製
器 模官休庵伝来砂張盆 一啜斎在判箱 一方庵水屋常用 宗哲造
莨盆 覚々斎好 一閑豆腐箱 一閑造
火入 九谷 竹絵 菁華造
莨入 唐物 白檀塗 草花絵
煙管 直斎好 芋虫張 浄益造
香箸 梅頭 浄益造
点心席
床 李朝虎絵
虎香合置物を各種を飾る
以上
Комментарии