繧繝縁は最も格の高い畳縁(たたみべり)です。神仏や天皇・三宮(皇后・皇太后・太皇太后)・上皇が用いました。大紋高麗縁(こうらいべり)は親王・摂関・大臣、小紋高麗縁は公卿、五位以上の殿上人紫端、六位以下は黄端は、無位の者は縁なしとされていました。現在では神社や寺院の座敷や茶室の床の間などで大紋高麗縁を見ることができます。また御所や一部の神社で赤縁が用いられています。これは紫が変容して赤を用いたそうで、「紅絹(もみ)縁」「緋曽代絹(ひそだいきぬ)縁」とも呼ばれています。
『延喜式』には朝廷で使われた畳の規格が書かれています。長帖・短帖・狭帖などで、長さ10mから1.2m,幅1.35mから1.08mの間で、厚畳とその半分の厚さの薄畳があり、畳縁は糸目を布で覆いました。そして畳縁は繧繝縁はじめ大紋高麗縁、小紋高麗縁などの違いでそこに座る人の位階を示していました。行事のたびに畳が板床の部屋に敷き並べられ、平安後期には普段から人の席にあたる部分には畳が常設され、高貴な人の座はさらにその上に畳を重ねるようになったそうです。なお、平安時代には畳の縁の使用はあまり厳しくなかったそうで、身分による使用の区別がは少なくとも室町時代には明確になっていたとのことです。
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