昭和15年に刊行された、諸岡存・家入一雄著『朝鮮の茶と禅』によると、かつて朝鮮・韓国で「銭茶・青苔茶」という団茶が全羅南道で作られていたとあります。
5月ころに柔らかい茶葉を摘み、蒸器で葉を蒸します。その葉を釜に入れて両手で箸を一本ずつ持ってかき混ぜながら炙ります。葉が完全に乾く前に木臼に入れて餅のようになるまで杵で搗き、茶碗の底に親指で押し詰め、表面を平らにし、竹で中央に孔を開け、直ぐに日光に当ててゆっくり乾かします。その穴に30個くらい縄や藁を通し、紙に包んでオンドル部屋で保存し、必要に応じて飲みます。飲む時は1、2個を黄色くなるまで火で炙り、これを薬缶に入れて沸騰した湯を注いで飲むとあります。
陸羽の『茶経』に書かれた団茶の製法とほぼ同じです。日本でも平安時代に遣唐使が伝えたのもこの団茶です。朝鮮にも唐から伝えられました。
魯先生が学生と一緒にかつての製茶法で復元した銭茶です。今回先生からお土産にいただいたものです。5月に私も作ってみようと思っています。
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