本日の自宅稽古場の床は、大徳寺の大綱宗彦の七言絶句「偶成(ぐうせい)」を掛けました。花は薮椿と射干、花入は伊万里焼白磁徳利、薄板はミャンマー土産です。
偶成
烟霞深擁北山岑
不用春光向外尋
柳暗花明二三月
黄鴬日々伴吾吟
空花道人(印)
偶成
烟霞(えんか)深く北山(ほくざん)の岑(みね)擁(よう)す
春光向外(こうがい)に尋るを用いず
柳は暗く花は明るく二三月(にさんげつ)
黄鴬(こうおう)は日々吾に伴い吟ず
煙の様な霞が北山の峰を包み、春の暖かい光をわざわざ外にもとめる必要はない。春も二月、三月となると野が花や緑に満ちた美しい景色にあふれる。黄鴬(こうおう)は毎日わたしと一緒に歌う。
今日は旧暦3月19日で、大綱の詩は当時の今時分の京都の風情を詠んでいます。近年の温暖化により春が短くなったようです。今年は早くも桜が散ってしまい、鴨川の柳も青々とした若葉をたたえ、早くも初夏の趣を迎えています。
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